All the Invisible Children それでも生きる子供たち




「それでも生きる子供たちへ」という映画を最近DVDで見ました。

このDVDのタイトルとスパイク・リー監督作品も入っているっていうので気になりました。

スクリーンで観る機会は無かったけれどDVDで見ることができてよかったです。

一つのテーマ 【原題の「All the Invisible Children」はすべての存在しない(目立たない、見えない)子ども達という意味ですが、これをテーマに映画を撮るように依頼されたようです。】 を、映画監督それぞれの視点や考えが現れて面白かったです。

見てない方にはゼヒ観て欲しい1本です。

それでも生きる子供たち


TANZA
メディ・カレフ監督

BLUE GYPSY
エミール・クストリッツァ監督

JESUS CHILDREN OF AMERICA
スパイク・リー監督

BILU E JOAO
カティア・ルンド監督

JONATHAN
ジョーダン・スコット/リドリー・スコット監督

CIRO
ステファノ・ヴィネルッソ監督

Song Song & Little Cat
ジョン・ウー監督


大人たちはある時は過剰に子供達にものを与え、ある時は過酷に子供達からものを奪う。

子供達はその与えられた環境で、どう生きていくか、それぞれの工夫が生まれる。

映画のキャッチフレーズである「スラムは遊び場に。ゴミ捨て場は冒険の場に。子供たちは、生きることの天才だ」

大人たちならくじけそうな環境でも子供達は一生懸命に生き抜こうとする。

大人たちは自分たちの都合の良い理屈をつけ、そんな子供達の生き方に良し悪しの裁断を下す。

「大人は誰も、昔は子供だった。
でもそのことを忘れずにいる大人はほとんどいない。」

「大人は判ってくれない」と涙流したあの日、あなたは大人というずるさを身につけたのかも知れない。

老いた大人たちは「自分」を守るためにも、「子供たち」の今を知るべきなのだろう。

この素晴らしき世界に。

公式サイトから転用。




PEACE,LUV.









以下、ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。

各話監督のメッセージは、公式サイトから転用。








メディ・カレフ監督
この映画のように、毎日戦いつづけている子供たちがいるということを、世界の人々に知ってもらいたい。彼らの多くが親を虐殺され、自分自身のアイデンティティを求めている。ヨーロッパの何不自由ない子供とは全く違うんだ。彼らは、戦争へ行くことが誇らしく、喜ばしく、手榴弾や銃をもらうことがプレゼントだと思っているんだ。そんな世界に心が痛むよ。だから僕はこの映画を通して、そこで生きる子供たちのことを語る機会を持ててとても嬉しかったんだ。

エミール・クストリッツァ監督
僕の祖国のように問題の多い国では世間から存在を忘れられた子供たちが多くいるが、そんな子供たちを浮き彫りにしたいと告げられたとき、この企画に参加できることを光栄に感じた。
子供たちのことを考えているうちに 彼らにとっての自由は、僕たちが考えている自由と反対の意味を持つということを知ったよ。彼らは金を使い果たしたときや冬の寒い季節には、軽犯罪を犯すことで刑務所に戻ろうとするからだ。僕は自由よりも刑務所を好む社会的レベルの人があまりに多いことに驚き、これがきっかけで、『ブルー・ジプシー』という映画を、自分なりのやり方で作るべきだと思うようになったんだ。

スパイク・リー 監督
HIVに感染している子供たちは、両親が事実を一切話してくれなかったらどうなるかを想像してみた。そして、彼らが自分の病気を知ったら、彼らの生活はどうなるのか・・・・。
これは、地球規模の問題なんだ! 世界中の子供たちのことがとても心配だったが、何も具体的なことができなかった僕にとってこの企画を持ち掛けられた時はとても光栄に思い、嬉しかったよ。
この映画はハッピーで陽気な映画ではないが、このテーマは話しておくべきものだと強く感じた。そして、今回はこの作品に「希望」という大きなメッセージを盛り込んだんだ。トンネルの向こうには光があるということを伝えたくてね。

カティア・ルンド 監督
ブラジルでそびえたつ高層ビル群がファベーラ(貧民街)を押し潰すのは時間の問題。
私が疑問に感じるのは、人力車を押して働く子供たちが全ての手段と才覚を駆使したとして、そんな世界について行くことができるのだろうか、ということ。
家が立ち退かされ、信じるものが壊れてしまったら? この世界経済に参加する手段すらないと知ったら?
彼らのエネルギー、創造性の行き場は? 働きながら夢を見て、前向きであり続けることが彼らにはできるのか?
これは、社会全体の問題なの。
こういう子供たちの力と、世間が意識しないかあるいは普通は哀れむような生活を、新たな視点で見ることを、この映画で伝えたい―。

ジョーダン・スコット/リドリー・スコット監督
子供たちはどんな状況をも変化させ、最悪の環境でも何とか切り抜けられる独特な力を持っている。
子供時代は神秘的だわ。でも残念なことに、年を重ねるにつれ、魔法は消えて現実に支配されるの。子供の時は忘れたくても忘れられないのに・・・。
本当に大切なことを無視したり、目を背けたりするのはとても簡単なことだわ。
この作品は、これまで大いに貢献してきたのに世間で大した役割を果たしていないと感じている男の物語。
でも結局、彼が出会った子供たちのおかげで、彼が先に進むことを選ぶことを知ったように、世界の人々がこの映画をきっかけにして、何かを感じて、少しでも先に進んでもらいたいわ。

ステファノ・ヴィネルッソ監督
僕はこんな環境で育ったから、こういった場所で育つことがどんなに困難かが分かる。
そして悲しいことに状況は、悪化の一途を辿っている。クールな服が着たい。だからポケットには使いたいときに使えるお金をいつも持っていなきゃいけない。子供たちも立派な消費者にならざるを得ないんだ。あそこに行って、怒りで満ちた彼らの瞳を見るとゾッとする。そんな眼差しが僕を変えさせたんだ。
何か世界を大きく変えようなんてポーズをとっているわけではない。でもこのプロジェクトに対して僕が希望を抱き、大きな志を持つことで、人々にこういった問題を思い出してもらい、僕たちひとりひとりに何ができるか、そして何かすべきだと思ってもらうことを願っている。

ジョン・ウー監督
人々の中には子供を大人とは違うと考える者もいるが、子供も大人同様意志と尊厳を持っている。僕は子供たちの心の中で何が起こっているのかを探究してみたかった。
特に非常に多くの文化的、経済的変化が起きている中国で、子供たちがそういう全てのことについてどう思っているのか知りたいと思った。世界中の子供たちの希望を表現したかった。
この映画で二人の少女は葛藤しながらも勇気と尊厳を通して自分達自身の強さを見つけ出す。我々は世界の子供たちを救う話をしているが、本当は子供たちが我々を救っているのだ。彼らの強さと愛が世界を変えていくだろう。